2016年5月30日月曜日

こんにちは!

こんにちは。獣医師の齋藤です。

季節は春から夏に向けて、最近はどんどん暑くなってきましたね。
暑い夏が大好きな、8月生まれの私にとっては非常に嬉しい事なのですが、わんちゃんにとっては熱中症に注意する時期でもありますね!

そこで今回のブログは熱中症についてです!

みなさんご存知だと思いますが、熱中症とは体にたまった熱を外へ逃がすことができず、体温が上昇し、その状態が長く続くことで血圧の低下、血流の循環障害、臓器不全と様々な症状が出てくる状態を言います。

人とわんちゃんの体温調節で最も違うのは、『汗』ですね!
わんちゃんにも汗腺はありますが、人間のように身体のいろんな所から汗が出て体温を下げるという事ができません。そこでハァハァと口から呼吸する事によって、体にたまった熱を放出しますが、熱の放出が追いつかず、どんどん体温が上昇してしまうのが熱中症です。

熱中症になりやすい原因は、真昼間の散歩、車内放置、肥満、短頭種などが有名ですね!

もちろん日陰や家の中でも風通しが悪いと湿度が高くなり、それも熱中症の危険があります。湿度も気にしてあげるのがいいですね!

わんちゃんの快適な環境は気温2325℃、湿度50%くらいでしょうか。

ブルドッグやパグ、シーズー、ペキニーズなどの鼻の短い短頭種と呼ばれるわんちゃんは、鼻の穴や鼻腔が狭く、また喉も狭いので熱を外へ出すことがより一層難しくなっています。一緒に生活されている飼い主様は、その呼吸の仕方に一度は、『苦しそう』と思われたことがあるもしれません。そういったわんちゃんは、さらに気を遣ってあげないといけませんね。


熱中症の症状
体温が40℃を超え、呼吸が速くなる、よだれが多くなる、元気、食欲がなくなる、嘔吐、下痢をするなど様々な症状が出てきます。
さらに重篤の場合、虚脱状態(体に力が入らない)、痙攣発作を起こす、意識がなくなるといった重い症状となり、最悪の場合は死に至ることもあります。

もし熱中症になってしまったら!
ご自宅でできることは体温を下げることです。
冷水でなくても結構ですので、体を濡らして風をあてて下さい。気化熱によって体温を下げるのが目的です。ぐったりしていたり、嘔吐や下痢などの症状がある場合は、お早めに動物病院を受診して頂くことをお勧めいたします。

熱中症の予防
室内の温度、湿度に注意しましょう!特に夏の暑い時季にお留守番をさせる場合は、風通しに気をつけ、エアコンを点けてあげましょう!

これからの季節、車に乗せる時は日中は避けましょう。間違ってもわんちゃんだけを車内に残すことはしてはいけません!

太り過ぎは熱が体内にこもりやすくなります!日頃から体重には気を付けましょう。

夏のお散歩は気温の上昇する前、もしくは日の沈んだ後にしましょう。目安はアスファルトを触っても熱くない!です!


今まで長々とお話ししてきましたが、気を付けていても持病があるわんちゃんや、高齢のわんちゃんはこれからの季節、暑さで体調を崩す事が多々あります。

少しでも不安がある場合はご相談下さい。



かく言う私も、先月愛犬と一緒に横浜をお散歩していたところ、横浜観光されていたご婦人に、「わんちゃんが熱中症になっちゃうわよ!気を付けて!」とご指摘を頂きました。


そうやって面識のない方でも声を掛けて頂けるのはありがたいことです。

皆様も、わんちゃんの健康には気を付けて、楽しいドッグライフを満喫しましょう!


そのお散歩の時の写真。愛犬のさくら(MIX ♀13歳)です。
リュックには自分のおやつが入ってます。