2018年3月17日土曜日

手術

こんにちは!

前回のブログで書いたレーパン。自転車専用のレーシングパンツというもの。

これを購入してから自転車に乗る機会が増えて、日々の運動時間も増えました!

さぞ痩せる事だろうと思いきや、消費した分ご飯が美味しくって。

結局プラスマイナスゼロ!。

日本の米は世界一。

どうも、炭水化物大好き。獣医師の齋藤です。



さて、今回のブログは、『手術について』です。

当院でも日頃から皆様の大切なわんちゃん、ネコちゃんの手術を実施しておりますが、今回手術を行ったのは私の飼っている犬です。

私が大学2年生の頃、友達から『今日誰かに引き取ってもらわないと、殺処分される犬がいるんだよ。誰か飼ってくれないかなー。』と言われて引き取りました。
雑種の女の子で【さくら】と言います。

引き取った頃は仔犬だったさくらも、先月で15歳になりました。

高齢犬の飼い主様はお分かりになると思いますが、年齢とともに、歩くのが遅くなり、耳も遠くなり、反応も鈍くなり、目も白くなり、何もないところでつまずくようになりました。

そして。

健康診断で脾臓に腫瘤を発見しました。


ここで少しお勉強です。

犬の脾臓にできる腫瘤には2/3ルールというものが昔からあります。腫瘤とはシコリだと思って下さい。

それは、犬の脾臓にできた腫瘤のうち、1/3は腫瘍以外のもので、残りの2/3が腫瘍というものです。

ここでいう腫瘤以外のものとは、例えば血腫(平たく言えば血の塊)や、過形成という通常の脾臓の細胞が増えただけのものなどです。

その腫瘍のうち、さらに1/3が良性腫瘍、残りの2/3が悪性腫瘍という統計があります。

つまり、脾臓にできたシコリ全体の2/3のさらに2/3、およそ44%が悪性腫瘍という事です。

私達獣医師はさらにそこから、年齢、犬種、エコー検査、増大速度などを考え、動物の状態も考慮し、治療計画を立てていきます。

しかし、例え悪性の腫瘍でなくても徐々に大きくなる事が多く、何かの拍子に突然破裂することがあるのです。

破裂した部分が大きく、出血が多量の場合には出血性ショックを起こし、動物は高確率で死に至ります。

そうならない為にも、手術が可能であればリスクの少ないうちに脾臓を腫瘤ごと摘出する事をお勧めしています。

えっ、脾臓って取っちゃっても大丈夫?と思われる方もいると思います。

結論から言うと、脾臓がなくなっても生きていけます。

脾臓には、古くなった赤血球を処理する役割、血を作る造血組織としての役割、リンパ球を作る免疫器官としての役割、血液を貯蔵しておく役割など様々あります。

もちろんあった方がいいのでしょうが、脾臓がなくても全て他の臓器が代わりに行うことができるようになっているのです。生き物ってすごい。





そして先日、うちの犬も手術で脾臓を取りました。

手術前の写真です。

循環を良くする為に、静脈点滴をしています。














手術後の写真です。

痛みはあるのでしょうが、自分で立とうとしたり、とにかく動きたがります。

人ならお腹を手術をした後であれば相当痛いんでしょうが、

わんちゃんは強いですね。










病理検査の結果は血腫。悪性腫瘍ではありませんでした。

傷口を舐めたり引っ掻いたりしないように、抜糸まで気を抜かずに看護しなければなりませんね。



ペットが年を取って内臓や皮膚に腫瘍ができた。
すごく残念ですが、決して珍しい事ではありません。

日頃から愛犬、愛猫を触りまくって、小さな異常にもすぐに気付けるようにしたいですね。

定期検診も忘れずに行いましょう!

車の窓から顔を出したがるわんちゃんは結構いますが、落ちないように気をつけましょう!


また更新します。

齋藤でした!